裸のCFO - 10000時間でプロになる。

某メーカー系スタートアップでサプライチェーン・マネジメントを担当している著者が「10000時間の法則」を真に受けて、“事業を創れるCFO”になるまでの10000時間を記録するブログです。世界を目指す研究開発型のプロダクト系ベンチャーを興すのが夢。技術や市場動向から、経営戦略やマーケティング、ファイナンス、それからVCについても書きます。お問い合わせは、hadakano.cfo[at]gmail.comまで。

「プロサッカー選手」と「成功するキャリア」の共通点

久しぶりのブログ更新、裸のCFOです。

近頃、続けざまにキャリア系の本を4冊読破しました。もうお腹いっぱいなので(笑)、一度アウトプットします。

間もなく始まるサッカーW杯日本代表の本田圭佑選手が、しきりに「個」の重要性を説いていたことは記憶に新しいですが、今回の読書で僕が感じたこともまさにその「個」でした。あえてね。
そして僕は、僕自身を含めた日本の職業人は、もっと「プロサッカー選手」のような意識で仕事に取り組み、自らのキャリアを考えるべきだ、と思います。

読んだ本 

天職は寝て待て?新しい転職・就活・キャリア論? (光文社新書)

天職は寝て待て?新しい転職・就活・キャリア論? (光文社新書)

 

 

メッシと滅私 「個」か「組織」か? (集英社新書)

メッシと滅私 「個」か「組織」か? (集英社新書)

 

 

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

 

 

偶然は必然だ

キャリア形成のきっかけは、80%が「偶然」である…(天職は寝て待て) 

変化の時代のキャリア構築は予定とおりにはいかない(キャリアショック)

自らのキャリアの満足度が高い人ほど、現在に至るまでのキャリアは「想定外であった」と答えるそうです。

自分自身も、まさか5年前社会に出た時には、いまの会社に居ることなど「想定外」でした。

でも、そうした「偶然」は、実は「必然」だったんじゃないか?
プランド・ハップン・スタンス・セオリー(計画された偶発性)という理論では、以下の5つの行動・思考パターンで「良い偶然」を呼び込めると言います。

  • 好奇心 (Curiosity)
  • こだわり/粘り強さ (Persistence)
  • 柔軟性 (Flexibility)
  • 楽観性 (Optimism)
  • リスクをとる (Risk Taking)

素人目には、たまたまある選手が良いところに居て、たまたまボールが飛んできてゴールに結びついたように見えるシーンにも、実は必然が重なり合っている。
日々の積み重ねを大事にできなければ、良い偶然はやってこないんですね。

問え、己は何者かを

個としての自分、自分が何者なのか、ベースにある職業や専門性を伝えなければ、伝わらない。ピッチの内外で、何がしたいのかはっきり言えないやつは相手にされない。(メッシと滅私)

往々にして人は「自分が好きなこと」と「自分が憧れていること」を混同している。(天職は寝て待て)

大事なのは、自分がどう思われているかを気にする前に、どう思われたいかをはっきりすることであり、これを「セルフブランディング」というのである。(自分らしいキャリアのつくり方)

ヨーロッパでは、プロのサッカー選手ですら「お前の職業はなんだ?」と問われる。それほど、自分はどういう人間で、どんな専門性があって、どんな価値を生めるのかを意識している。

日本は、僕の知る限りでは、この「専門性」に対する意識が弱い。アジア全般で言えることかと言えば、一概にそうではなくて、昔初めて仕事で台湾に言った時、「大学はどこに行ったんだ?」「何が専門なんだ?」みたいなことを、台湾人は平気で聞いて来た。日本だと、その人の学歴とかバックボーンがある種「聖域」のように、聞いてはいけない雰囲気がありますよね。

あと、「好きを仕事にしよう!」みたいな聞こえの良いフレーズが聞かれますが、好きと憧れの混同は結構な人にあると思っていて、それはつまり、自分の「動機」をはっきり認識できていないから。
自分の動機を測るツールとして、エニアグラムとかMBTIとか様々ありますが、この手の自己分析ツールに対する認識って、大きく二通りあると思う。

一つは、ツールの有効性を考えることも無く、鼻からツールをバカにするタイプ
もう一つは、ツールの分析結果をバカの一つ覚えに信じてしまうタイプ

どちらも“イタイ”ことに変わりはないので足して二で割るとちょうど良いのですが、道具をいくら使ってもよいから、とにかく自分の「動機」を探る、ということが重要なんだろうなと。
サッカー選手も、自分のやりたいプレーとチームから求められるプレーの狭間で葛藤していたりするわけで、日本のサラリーマンももっと葛藤しなきゃダメでしょう。

超・長期と超・短期な目標設定

ビジョンやバリューは抽象性の高いものだが、その一方で、…(以下、略)目標はきわめて短期的なものとなる。(キャリアショック)

「世界一のプレーヤーになる。」小学校の卒業文集で書いたことが実現しそうな本田選手のサクセスストーリーで日本中は大盛り上がりですが、一方で、そのための本田選手の努力は実に地道なものです。

「こうなりたい」「こういう人生を送りたい」といった、すっごく先の目標、いや目標よりもふわりとしたナニカを、人は持たなきゃいけない。それは文章化できないかもしれないし、ただの単語一つかもしれない。それでも、持ち続けることが重要なんだな。
一方で、そのナニカに向けてはすっごく短期的な目標を定め、達成して行く。毎朝1時間早く起きて、英語を勉強する。3ヶ月後にTOEIC800を達成する。半年後には日常会話に困らなくなって…などなど。
仕事においては、WhyやWhatを構築することが重要で、Howはスキルの問題。心・技・体とはよく言ったもので、技はさっさと身につけて、次に進むことが大事。


裸のCFO