裸のCFO - 10000時間でプロになる。

某メーカー系スタートアップでサプライチェーン・マネジメントを担当している著者が「10000時間の法則」を真に受けて、“事業を創れるCFO”になるまでの10000時間を記録するブログです。世界を目指す研究開発型のプロダクト系ベンチャーを興すのが夢。技術や市場動向から、経営戦略やマーケティング、ファイナンス、それからVCについても書きます。お問い合わせは、hadakano.cfo[at]gmail.comまで。

クリステン教授が教える「人生の目的に必要な3つのこと」

【裸のCFO -  93.0 時間】A : 4.5 時間 B : 9.5 時間 C : 66 時間 D : 13 時間

ハーバード大学のクリステン教授が書いたイノベーション・オブ・ライフ」を読みました。

彼の「イノベーションのジレンマ」はあまりに有名ですが、この「イノベーション・オブ・ライフ」は、彼のイノベーション論、経営論を最高の人生を生き抜くために個人へ当てられた手紙のような本です。

実際には、2010年ガンに似たリンパ腫におかされた教授がハーバード大学でとった授業が元になっているようです。

※参照:クリステンセン教授の特別授業 ~ 幸せとは

自分の人生を評価するものさしは何か?

これが本書の鍵となる問いです。

お金、名誉、地位、安定、時間、経験…など、評価尺度は個々人により異なりそうです。また、必ずしも1つの尺度では測れない気がします。

では、自分にとっては何が尺度か?

それを考える上で、著者の指摘する三つが、非常に参考になります。

  1. 自画像
    自分がこうなりたい、というイメージ。それも、自分の様々な立場、例えば夫してこうなりたい。父とて、友人としてなど、それぞれの立場で“こうありたい”と思い描くこと。
  2. 献身
    “信仰とも言えるもの”と表現されていますが、自画像を現実のものにするためにコミットすること。自画像が正しくないなら、捉え直すこと。正しいと感じたならば、“気迫をもって”人生を捧げること。
  3. 尺度
    自画像、あるいは人生の目的に対して、自分がいまどこにいるのかを測る指標。そして、最初の問いに戻る人生を評価する指標

少し話が逸れてしまいますが、サッカーの本田圭祐選手が小学校の卒業文集で書いた夢を、ミラン入団で実現させたことが話題です。

私のような一般人でも、1. 自画像を描く人は少なくないと思います。クリステンセン教授も「最もたやすいこと」だと言っています。

しかし、いわゆる成功者との差を決定的に分けるのは、2. 献身です。ここで大半の人は脱落してしまうのだと思います(自戒も込めて)。

自分の目的に対して決めたことを守り抜くことが、それだけ難しいということです。

3. 尺度は、結果としてふっと沸いてくるものな気がします。

クリステンセン教授は、自著「イノベーションのジレンマ」での意図的戦略創発的戦略を当てはめて、こう話します。

道を切り拓こうとする新興企業のように、…人生で実験せよ。

 

本当にやりたいことが見つかったら、そのときが創発的戦略から意図的戦略に移行するタイミングだ。

 

目的は、明確な意図をもって構想選択し、追求するものだ。だがいったん目的をもてば、そこに行き着くまでの方法は、一般に創発であることが多い。

 

目的は、意図的に考え続けなければならない。だけど、目的を見つけるタイミングと手段は、創発的であることを受け入れなければならない。

知っているようで、忘れがちな話ですね。

裸のCFO 

 

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

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  • 作者: クレイトン・M・クリステンセン,ジェームズ・アルワース,カレン・ディロン,櫻井祐子
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 単行本
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イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

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