裸のCFO - 10000時間でプロになる。

某メーカー系スタートアップでサプライチェーン・マネジメントを担当している著者が「10000時間の法則」を真に受けて、“事業を創れるCFO”になるまでの10000時間を記録するブログです。世界を目指す研究開発型のプロダクト系ベンチャーを興すのが夢。技術や市場動向から、経営戦略やマーケティング、ファイナンス、それからVCについても書きます。お問い合わせは、hadakano.cfo[at]gmail.comまで。

CFOがS&OPを学ぶべきたった1つの理由

【裸のCFO - 56時間】A : 1 時間 B : 1.5 時間 C : 51 時間 D : 2.5 時間

 サプライチェーン・マネジメントには、「S&OP(Sales & Operation Planning)」という領域があります。

S&OPとは何か。「マーケティング、財務、製品開発、営業、生産の戦略と計画の緻密で機敏な(擦り合わせ)機構」などと言われます。Wikipediaでは、以下のように説明されます。

Sales and operations planning (S&OP) is an integrated business management process developed in the 1980s by Oliver Wight through which the executive/leadership team continually achieves focus, alignment and synchronization among all functions of the organization. The S&OP planning includes an updated forecast that leads to a sales plan, production plan, inventory plan, customer lead time (backlog) plan, new product development plan, strategic initiative plan and resulting financial plan

 S&OPでKeyとなるのは、以下の三点です。

  • 各ファンクション(部門)間の計画を"金額と数量"の数で一本化する
  • 生産、物流、販売計画同士を連携、同期化させる
  • その計画を月次 -> 週次 -> 日次でローリングかつブレークダウンする

一方、先日読了した管理会計の分野において、「予算管理」があります。企業予算には、計画調整統制という経営管理機能があります。

予算は一般的に次の3つからなると言われます。損益予算については、その下層に売上高、製造費用、営業費などの各予算があります。

  • 損益予算
  • 資金予算
  • 資本支出予算

ここで、私の疑問は1つ。

S&OPと予算管理は何が違うのか?

計画の擦り合わせ、調整、そして統合という経営管理機能としては、本質的には同じだと思います。 強いて違いを上げれば、S&OPは計画間の同期化ローリングを強く打ち出していること。

旧来型の予算管理では、部門毎に予算案をつくり、それらを集計し、予算が作られていました。しかし、それを月次でローリングし、変化点では短サイクルで計画間を同期化していく、などという概念は薄かったように思います。

CFOは、S&OPを知るべき

CFOは"新しい予算管理の手法"という位置づけで、S&OPを学ぶべきです。なぜならば、"企業体の動き"を感じられるから。予算管理が静的ならば、S&OPは動的。

不確実性の高い現代の経営こそ、旧来予算というマスタに縛られ過ぎてはいけません。

今後求められるCFO像が、単なる金庫番に終わらないとすれば、よりダイナミックな管理手法を学習すべきでしょう。

 

サプライチェーン経営入門 (日経文庫)

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