CFOがS&OPを学ぶべきたった1つの理由
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サプライチェーン・マネジメントには、「S&OP(Sales & Operation Planning)」という領域があります。
S&OPとは何か。「マーケティング、財務、製品開発、営業、生産の戦略と計画の緻密で機敏な(擦り合わせ)機構」などと言われます。Wikipediaでは、以下のように説明されます。
Sales and operations planning (S&OP) is an integrated business management process developed in the 1980s by Oliver Wight through which the executive/leadership team continually achieves focus, alignment and synchronization among all functions of the organization. The S&OP planning includes an updated forecast that leads to a sales plan, production plan, inventory plan, customer lead time (backlog) plan, new product development plan, strategic initiative plan and resulting financial plan.
S&OPでKeyとなるのは、以下の三点です。
- 各ファンクション(部門)間の計画を"金額と数量"の数で一本化する
- 生産、物流、販売計画同士を連携、同期化させる
- その計画を月次 -> 週次 -> 日次でローリングかつブレークダウンする
一方、先日読了した管理会計の分野において、「予算管理」があります。企業予算には、計画、調整、統制という経営管理機能があります。
予算は一般的に次の3つからなると言われます。損益予算については、その下層に売上高、製造費用、営業費などの各予算があります。
- 損益予算
- 資金予算
- 資本支出予算
ここで、私の疑問は1つ。
S&OPと予算管理は何が違うのか?
計画の擦り合わせ、調整、そして統合という経営管理機能としては、本質的には同じだと思います。 強いて違いを上げれば、S&OPは計画間の同期化とローリングを強く打ち出していること。
旧来型の予算管理では、部門毎に予算案をつくり、それらを集計し、予算が作られていました。しかし、それを月次でローリングし、変化点では短サイクルで計画間を同期化していく、などという概念は薄かったように思います。
CFOは、S&OPを知るべき
CFOは"新しい予算管理の手法"という位置づけで、S&OPを学ぶべきです。なぜならば、"企業体の動き"を感じられるから。予算管理が静的ならば、S&OPは動的。
不確実性の高い現代の経営こそ、旧来予算というマスタに縛られ過ぎてはいけません。
今後求められるCFO像が、単なる金庫番に終わらないとすれば、よりダイナミックな管理手法を学習すべきでしょう。
裸のCFO